遅刻魔の憂鬱

 毎回教室に着くのは、3時間目以来になる。
そのせいか、先生やクラスメイト達は私を不良扱いして、たまに私を避けたり、裏で悪口を言っている。
親からは、ちゃんと勉強しなさいとか、良い学校行きなさいとか言われる。
だから、結構頭は良い方だ。

 そんな私が、毎回遅く遅刻してくるのにはワケがある。
朝の9時くらいにバッと起きて、太陽を眺める。こうした方が、目覚めが良くなると思うから。
そして急いで着替えて、ご飯食べて、学校へ行く準備を整えて、深呼吸していざ出発!
ゆっくり歩いて、道行く人を見て、空を眺める。空は、日によって景色が違う。でも、どんな日でも綺麗なんだ。
そんな事を考えていたら、いつのまにか学校に着いている。だけど、それに驚くのも、楽しみの一つ。

 教室へ行く間、学校の中で空が綺麗に見える場所に行く。例えば、屋上とか、中庭とか、渡り廊下とか…。
そしてその場所に仰向けに腰掛けて、カメラを用意して…ゆっくりと何枚か撮る。
綺麗だなー…と思っていたらチャイムがなるので、ゆっくりと教室へ向う。
教室のドアを開けたら、クラスメイトや教師達は、ビクビクしたような顔で私を見てくる。
はあとため息をつきながらも、私は椅子に座る。

 …私の毎日は、こうして構成されているからだ。
でも、はっきり言ってこの毎日は、学校で勉強するよりも…凄く、凄く充実していると思う。
だけど、その事は皆知らない。だからね、将来、良い職業について、立派に生きれるようになったら、
その事を、皆に…皆に、伝えたいー。

 私はふうとため息をついた。



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